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September 08, 2007

マダガスカル、ラドゥーザ

2007/9/7 (金)

69301
 夜、中野サンプラザで民音の「アフリカ音楽紀行 マダガスカル2007」を見た。複数のグループからの選抜メンバーということで、マダガスカル・オールスターズという感じか。アンサンブルが大丈夫かという心配がなかったわけではないが、予想以上におもしろかった。
 バンドは基本的には6名で、アコーディオン以外は主にヴァリーハ、マルヴァーニなど伝統的な楽器(コンガと、見えなかったがボンゴも使っていたようだ)。曲によって、歌手とダンサーがつく(両方を兼ねている人も多い)。曲調、振付とも、言葉のわからない外国人にもわかりやすい、ショーとして練られた演出。
 振付はどこまで伝統的な要素があるのかぼくにはわからないが、南部の音楽・踊りは南アフリカ色が強く、中部のものは手の動きなどにポリネシア色がある( これも伝統的なものをアレンジしたのか、ポリネシアとのつながりを意識して創造したものか不明 )。とはいえ、18歳の少年の踊りは、ポリネシア的な手や腕の動きとアフリカ的な下半身の動きとモダン・ダンスやヒップホップをミックスしたみたいで、素晴らしかった。こういう人が出てくれば、それが新しい伝統として伝わっていくのだろう。女性ダンサー/歌手たちも、若いころのジョセフィン・ベイカーが何人も出てきてうたいおどってるみたいで、幸せな気分に。彼女たちが打楽器に回った曲のアンサンブルも悪くなかった。
 男性のコーラスの高音と低音の合わせ方は、おそらく南アフリカのンブーベを意識しているのだろう。しかし女性・男性3名ずつでアカペラでうたった歌などは、ンブーベとはちがう華やかさがあってよかった。コーラスの中核をになっていたティノディアのCDRを会場で買ったら、だいたいそういう感じだった。最後にカラオケでやったポップス風の2曲は、クワイトをゆるくしたような演奏で、急にスピード感や緊張感がなくなった。
 この公演がいまのマダガスカルの音楽の状況をすべて伝えているとはいえないだろうが、リズムの多様性など、ヨーロッパ経由で入ってくる単独アーティストのアルバムからはうかがい知れない面もいろいろ感じ取れて、ぼくにとっては教わることの多いコンサートだった。


2007/9/6 (木)

Kicp80911
 しばらくお休みしていた女神さま、今日はチェコのラドゥーザの『ヴ・ホジェ』です。
 この人は10代のころから放浪生活を続け、プラハのストリートでうたっているところをスカウトされてデビューしたシンガー・ソングライターです。プラハには何度か行ったことがありますが、ストリート・ミュージシャン、けっこう多いです。20年近く前ですが、どこから持ってきたものやら、路上にチェンバロを置いて演奏しているおねえさんもいました。
 で、ラドゥーザは、アコーディオンやギターを弾き語りする人で、このアルバムも大半はそのどちらか(カリンバ弾き語りもあります)。歌声は今回の女神さまシリーズの中では、いちばんドスのきいた低音です。アコーディオンを弾きながらしんみりうたう人もいいですが、ラドゥーザは力強くストレートに「きっぱり」という感じ。べたべたしたところがなく、短い曲が多いので、もたれません。そういえば前作に「レッツ・ゴー」という意味の元気のいい歌がありました。ひとりラモーンズか?
 中・東欧のストリートでアコーディオン弾き語りといえば、理想に燃えた元青年たちが夢破れてメランコリックな歌をうたうみたいなノスタルジックなイメージをぼくは抱いていました( 笑 )。そのイメージを満たしてくれるところも、そこから離れたところもあります。ヴィソツキーの曲をカヴァーしていますが、ヴィソツキーよりパワフル。
 解説の有賀みかるさんが歌詞の要約を紹介されてます。いいんだ、これがまた。青春のほろにがさ爆発。人生は自分が持てる重さだけ。なんて、若い娘でなくてもなかなか書けるものじゃありません。
 EUに加盟したチェコでは、ポピュラー音楽はご他聞にもれず、アメリカン・ロックやJ-POPみたいな作品が大半を占めていますが、その中で彼女はこのアルバムと前作をアルバム・チャートのナンバー・ワンにしています。こういう音楽を支持する人がいる、というのが素晴らしい。このアルバムを聞いていると、軟弱なこちらまで「きっぱり」してきます。大須賀猛さんはブックレットの中の彼女の写真に「萌え」だそうです。
 なお、チェコでは、このアルバムに続く新作がまもなく発売される予定。
 
 
 
 

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Comments

Thank you for very nice article.

Posted by: picmoch | September 08, 2007 12:26 PM

「萌え」たのではなくて、「惚れ」たんですからね。

ヴィソツキーつながりでいうと、五木寛之の初期の名篇「蒼ざめた馬を見よ」をいま映画化したら、主題歌はラドゥーザでしょうね。

Posted by: おおすか | September 08, 2007 04:58 PM

大須賀さん。
「惚れ」ですか。失礼しました。
ぼくの中ではあまり区別ついてなかったのですが、より能動的ということなのですね。

Posted by: wab | September 09, 2007 11:42 PM

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