アール・ラヴレイス『ドラゴンは踊れない』
2009/5/9 (土)

アール・ラヴレイスの『ドラゴンは踊れない』(中村和恵訳、みすず書房)を読む。
トリニダードの小説家によるこの物語は、カーニヴァルを生きがいにしているスラムの住人たちの群像を神様の視点から描いた小説。
時代設定はカーニヴァルに商業化の波が押し寄せはじめた60年代中期。
ドラゴンを演じることにしか興味がないオルドリック、彼がいつしか心ひかれるようになるシルヴィア、インド系商人のバリアグとその妻のドリー、カリプソ歌手フィロとお高くとまっているスラムでは裕福なほうのクレオチルダ・・・さまざまな登場人物がほどよい距離感を保って描かれている。腕力のふるい方において、ぼくにはとても遠い存在に思えるフィッシュアイのような登場人物の気持ちでさえ、そういうこともあるだろうと思わせる筆力。
感傷に流れないエンディングも見事。
いつまでも余韻の残る小説だ。
fkataさんからのコメントでご指摘いただいて、本のタイトルを訂正しました。ftakaさんどうもありがとうございました。


Comments
いつも楽しく読んでいます。実はカリフォルニアナイトin仙台でも楽しませていただきました。
ところで、本のタイトルは『ドラゴンは踊れない』ではないでしょうか。
Posted by: fkata | May 11, 2009 at 04:12 PM
fkataさん、どうもです
仙台ではありがとうございました。
本のタイトルのまちがいの指摘、ありがとうございます。おはずかしいかぎりです。
さっそく訂正いたしました。
いつも眠ってばかりのぼくの潜在意識がまちがいに・・・・。
Posted by: wab | May 11, 2009 at 05:24 PM