谷口江里也『アトランティス・ロック大陸』、『ERIS』、ワールド・ミュージック・タイム
2013/3/27(水)
朝からのどが猛烈に痛い。午後まで家にこもって読書。その中の一冊が、2月17日のサラヴァ東京開店2周年記念「清水靖晃&マイア・バルー・ライヴ」の会場で会った谷口江里也さんから送っていただいた『アトランティス・ロック大陸 風の記憶、岩の夢 My United Stars Of Atlantis』(エスプレ)。
この本には、アメリカがヴェトナム戦争に深入りしていく時期に作られたボブ・ディランの「風に吹かれて」から、9.11とその後の戦争を予言していたかのようなエルトン・ジョンの「アメリカン・トライアングル」まで、57の歌についてのエッセイが集められている。出版は2007年。
遠く離れて存在すら知らずに暮らしている人間が、あるとき同じ音楽に出会い、同じような思いを抱くのは、20世紀に入ってからはじめて登場した音楽の聞かれ方だ。その結果、19世紀までとは比較にならないくらい多種多様な人が、多種多様な音楽によって心を束ねられることになった。ぼくの世代は成長・変貌期にあった洋楽のロックという音楽を通してそれを体験した。自分が聞いてきたのと同じ音楽を聞いて、同じようなことを感じたり、考えたりしていた人がここにいる! この本のページをめくるたびにぼくはそんな驚きにとらわれた。
タイトルに使われたアトランティスという言葉には、いまあの時代の音楽の力はいずこへ?という思いもこめられているのだろう。しかしこの本はノスタルジックな思い出にふける本ではない。建築や空間設計から翻訳まで多彩な仕事をされている谷口さんは、若いころ横浜で音楽の現場にいた。その後も音楽の制作にかかわっている。音楽のとらえ方が的確で、造詣が深い。しかも書き方の間口が、音楽専業のもの書きより広くて自由。音楽エッセイ集としても秀逸。
2013/3/26(火)
恵比寿の『ERIS』編集部で打ち合わせ。次に出る3号は5月19日の発売予定など、基本的なことを決める。
2013/3/25(月)
深夜0時にNHKFMの番組『ワールド・ミュージック・タイム』の最終回の放送を聞く。
最後の最後までしゃべりがうまくならなかったなあ……。努力が足りないんだよ! あ。はい。すみません。
長年番組を聞いてくださったみなさん、どうもありがとうございました。再放送の最後が4月1日(月)の午前10時からあります。
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Comments
長い間、ご苦労様でした。
北中さんの朴訥とした喋りは、逆に信頼感が非常にあるとのことでしたので。
いつ調子よく話してしまう私などは、なかなか信じてくれません。
どこかでまたやってください。
Posted by: さすらい日乗 | March 30, 2013 07:30 PM