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March 11, 2013

マレウレウ、馬喰町バンド、きたやまおさむ、坂崎幸之助、松山猛、『カウラの班長会議』

2013/3/10(日)

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 夜、馬喰町ART+EATの馬喰町音楽会vol.2へ。会場の馬喰町ART+EATは馬喰町の一角、新しいお洒落なビルと古いビルが混在する横丁の古いビルの2階にあるカフェ・ギャラリー。このシリーズのホスト役は馬喰町バンドで、今夜のゲストはマレウマウ。
 馬喰町バンドは、伝統的な音楽とは無縁にファミコンやメロコアで育った世代の若者たちのトリオ。インスト・バンドとしてはじまったが、アフリカのピグミーの音楽などポリリズミックな音楽が好きになって、日本のわらべ唄などに取り組むようになった、というふうに自分たちの音楽を説明していた。
 後半はアイヌの女性4人組マレウレウ。NO NUKES 2013 のために東京に来ていたのでライヴが実現したそう。彼女たちの歌は短いフレーズの反復だけで成り立っている。伴奏のOKIもトンコリを叩いてリズムをとるだけの曲が多い。しかし異なるフレーズを同時にうたったり、ウコウク(輪唱)したりすることで、かぎりなく複雑な声の宇宙を生み出していて、どこか遠い世界に運ばれて行きそうになった。リーダーのレクポはムックル(口琴)の演奏も聞かせたが、口を共鳴に使うと同時にムックルと別のフレーズも出す高度なもの。OKIは「サハリン・ロック」をトンコリで弾き語りした。アンコールでは馬喰町バンドがマレウレウのバックをつとめた。

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2013/3/9(土)

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 午後、渋谷公会堂の「きたやまおさむ アカデミックシアター 加藤和彦物語」へ。きたやまおさむと坂崎幸之助がおしゃべりしながら、かつてきたやまや加藤和彦が結成していたフォーク・クルセダーズの話を語ったり、曲をうたったりした。途中でオリジナル・メンバーの平沼義男、「帰って来たヨッパライ」や「イムジン河」を作詞した松山猛、アマチュア時代から大阪のジャズ喫茶ナンバ一番などで顔見知りだったファニーズ(ザ・タイガース)の瞳みのるなどがゲストで登場。
 松山猛は、朝鮮学校の生徒との争いを止められないかと、サッカーの交流試合を申しこみに行ったときに、女生徒たちがうたっている「イムジン河」を聞いて覚えて帰った話をしたが、「イムジン河」は実はいまここにもあるのではないかという話に、彼の一貫した姿勢を感じた。
 加藤和彦が亡くなった後、片付けられた彼のスタジオの部屋の壁にアマチュア時代のフォークルのステージ写真だけが残されていたという話をしたとき、きたやまおさむは口ごもったように見えたが、プロのエンタテインメントの世界とアマチュアの音楽活動の関係を考えさせられる、せつない思いの伝わる一瞬だった。
 夜、下北沢のザ・スズナリで燐光群の『カウラの班長会議』を観た。第二次世界大戦下のオーストラリア、ニューサウスウェールズ州カウラの捕虜収容所から多数の日本兵が脱走し、2百名を越える死者が出た。その事件をもとにした芝居だ。
 比較的恵まれた捕虜生活を送りながら、「生きて虜囚の恥をさらすな」という命令の呪縛から逃れられず、脱走するにいたる日本兵たちの心理の変化と、その事件をもとにした映画を作るためにカウラを訪れた現在の映画学校の女性たちの行動が交錯する。日本兵たちの言動は、福島の原発事故に対する政府や関係者・・・の反応に重なり合うようにも聞こえる。38名もの出演者が狭い収容所の部屋を出入りする、動きの多い、力のこもった芝居だった。劇の後、作者の坂手洋二とロジャー・パルバースのトークが行なわれた。そこでも原発事故に対する政府や関係者の対応が引き合いに出されていた。
 帰りにいーはーとーぼに寄って、店主の今沢裕さんを表敬訪問。短編映画に俳優として出た話などをうかがった。


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