『レミング』、内橋和久、田端義夫、クロード・フランソワ、『最後のマイ・ウェイ』、氷川きよし、歌舞伎座
2013/4/26(金)
午後、渋谷パルコ劇場で「レミング~世界の涯まで連れてって~」を見る。作・寺山修司、演出・松本雄吉、音楽・内橋和久、出演八嶋智人、片桐仁、常磐貴子、松重豊ほか。品川で暮らす料理人の見る夢をとおして都市にまつわる幻想が、重層的に描かれる。20世紀前半の東京や上海のようでも、精神病院のようでも、映画のようでもある世界。舞台脇でギターなどを弾いた内橋和久の音楽も素晴らしい。
2013/4/25(木)
午後、田端義夫の訃報(享年94)。最後まで映画『オース! バタヤン』の公開を楽しみにされていたそう。合掌。
2013/4/24(水)
午後、市ヶ谷のシネアーツ試写室で『最後のマイ・ウェイ』を見る。フランク・シナトラで知られる「マイ・ウェイ」の原曲「コム・ダビチュード(いつものように)」の歌手・作者クロード・フランソワの伝記映画。
クロードはエジプトで生まれた。父親はパナマ運河を管理する裕福なフランス人。しかしナセルが運河を国有化したため一家は没落してモナコへ。
下積みのバンドマンから人気歌手へ、人気者としての過酷な毎日、業界の現実、家族とのあつれき、そして不慮の死………。子供を抱いて「ドナ・ドナ」を口ずさんだり、アメリカの曲をカヴァーしたり、オーティス・レディングのコンサートを見に行ったりと、音楽的な話題も豊富で、たくさんのエピソードをバランスよくまとめて見応えのある作品に仕上げてある。
2013/4/22(月)
午後、虎の門の日本コロムビアで氷川きよしの取材。
夜、渋谷映画美学校の試写室で田村孟太雲監督の『オース! バタヤン』を見る。
バタヤンこと田端義夫の第二の故郷、大阪市の鶴橋でのコンサートのライヴ映像を紹介しながら彼の歩みをたどったドキュメンタリー映画。
いつもエレクトリック・ギターを抱えて「オース!」と叫びながら舞台に登場してくる田端義夫は、子供のころのぼくには謎の存在でしかなかった。しかも彼のギターは、アメリカやイギリスのロックやフォークに夢中だったぼくには、かしまし娘のギター同様、とても古くさいものに思えた。
その印象がすっかり変わったのはレコードで「ズンドコ節(街の伊達男)」をあらためて聞いてからのことだ。詳しい話はかつて『ギターは日本の音楽をどう変えたか』という本に書いたので省くが、この映画は彼のギターのおもしろさと、第二次世界大戦中から戦後にかけての世相と音楽の関わりにうまく焦点が当てられ、無類の女性好きとしてや反戦者としての彼の側面も紹介されている。鶴橋のお客さんたちの反応も熱い。欲を言えば、韓国系の人が多い鶴橋という町の特徴にも少しはふれてほしかった。
主題歌がザ・バンドによるクラレンス・フロッグマン・ヘンリーのニューオーリンズR&Bのカヴァー「エイント・ガット・ノー・ホーム」というあたりも渋い。なにしろ監督名がタムラ・モータウンですから……。
なお、この映画にはぼくもちょこっとだけ、コメントで出演している。映画初出演。試写室で見て、冷や汗が出た。
2013/4/21(日)
夜、改築された歌舞伎座へ。6時からの第三部の公演。「盛綱陣屋」と「勧進帳」の2本を見る。(詳細は後日)
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